活版印刷向きのデザインとは?コツや避けた方がよいデザイン

活版印刷に向いているデザインとは

活版印刷で気持ちいいほど凹ませている名刺をネットで見て

「ガツンと凹んでいてカッコいい」
「よっしゃ俺(私)もつくろう!」

と、意気揚々とデザインを入稿した結果、

「あれ?思ってたより凹凸が弱い」
「細かい文字がつぶれてる」

なんてガッカリされている人いるんじゃないでしょうか。期待値が高いぶん、よけいに悲しい気持ちになりますよね…

発注した活版印刷会社の質があまり良くなかった場合があります。

しかし、実はそのデザイン自体が活版印刷に不向きなデザインだった可能性も考えられます。

職業柄、私はたくさんの活版印刷物を見てきていますが、

  • 凹みがしっかり出ているもの
  • 活版印刷が苦手なベタが綺麗にでているもの
  • 細い文字がつぶれてしまっているもの

  • 強めに印刷圧をかけているのに凹みが弱いもの
  • ベタがかすれまくっているもの
  • 細い文字でも、ちゃんと再現されているもの

は確かに存在します。わたしも始めは印刷会社の調整ミスなのかと思っていて、そのたびに問い合わせをしていました。実際に印刷会社に行って、立ち合いもしてみたりもしましたが、印刷工の問題ではなかったのです。

では、原因はなにか?お察しのとおり、デザイン(絵柄)に原因があったんです。

活版印刷はオフセット印刷とは違い、アナログな動作で印刷しています。そのため、デザイン(絵柄)によって、インキの乗り具合は悪かったり、印刷の圧力がきれいに行き渡らなかったりするのです。

それに気づいてからは、担当しているデザイナーさんが活版印刷で何かをつくろうとしている時には、あらかじめ注意点を数点伝えるようにしました。

すると、活版印刷の良さが活きるものがどんどん増え、7割バッターほどにまでなりました(笑)

そこで今回、私が気づいた『活版印刷向きのデザイン』と『活版印刷に不向きなデザイン』をご紹介したいと思います。

活版印刷の仕上がりを楽しみにしていたお客様が、ガッカリすることが少しでも少なくなれば幸いです!

活版印刷に適したデザインの作り方

細かい文字について

名刺などで住所や電話番号・Eメールアドレスなどの文字に小さいフォントを使っているせいで、文字がつぶれてしまっているのをよく見かけます。

活版印刷は紙に凸版を押しつけて印刷するため、文字が太りやすい傾向にあります。そのため、”人””白”などの漢字であれば問題なく印刷できても、”国””面”などの漢字の場合は、囲いの中がつぶれてしまう場合があります。

私のオススメとしては、フォントのポイントは”最低でも5pt以上”あれば、文字つぶれの可能性がグッと下がる印象です。

また、同じフォントサイズでも”ゴシック体””明朝体”で仕上がりに差が出てきます。

ゴシック体は文字の線幅が均一なのに対して、明朝体は文字の線幅が異なりますよね。活版は線が細いものも苦手(後述してます)なので、明朝体の場合、フォントサイズが小さいと文字の一部分が欠けてしまう場合があります。

注意ポイント
  • 文字サイズは5pt以上にしたいところ
  • 5pt未満の文字を使う場合はゴシック体のほうがオススメ

線幅について

細い線でストライプをシャシャシャっと入れて、その凹凸の手触りを楽しむ……良いですねぇ。しかし、どうしてもといった場合でなければ、細すぎる線は避けておいたいいかもしれません。

なぜかというと、凸版をつくる際に細すぎる線は再現されない場合があるからです。
その結果、細さが均一になっていないガタガタの線が出来てしまうわけです。(印刷業界では、「線がビビってる」と言います)

先ほどお話しした、線に強弱のある明朝体の件では、この影響もでる可能性があります。
例えば”日”の漢字の場合、中にある”一”の部分が細くなりすぎて、”曰”のように一部が欠けることもあります。

この問題については、だいたい”0.25pt以上”の線幅であれば、避けられるでしょう。

注意ポイント
  • 線幅は0.25pt以上にしましょう

両面印刷での位置被りによる圧のはねかえり

絵柄が表裏で同じ位置に存在している場合、先に印刷する面の凹みは、後から印刷される面の印刷圧により跳ね返されます。(凹んだ分が平面に戻される)

表面は日本語で表記し、裏面は英語で表記してあるデザインなどは、文字情報のレイアウト位置が被りやすいので、被らないように注意が必要です。

表面は文字情報、裏面にベタを使いたいときは、必ず印刷会社にベタ面を先に印刷してもらうように伝えましょう。でないと、表面の文字の凹みを裏面のベタを印刷するときに全部台無しにされてしまいます。

注意ポイント
  • 両面に印刷がある場合は、位置被りに注意しないと凹凸が無くなるかも

ベタと細かい文字が存在している

どういうこと?と思われたかもしれませんね(笑)
ということで、簡単に作ってみました(デザイン力のかけらも無くてすいません…)

ベタ(広範囲の塗り)文字が存在していますよね。

この場合、ベタをしっかり印刷しようとすると、印刷圧を必要以上に強める必要があります。すると、文字部分にも圧力がかかり、線がだいぶ太くなってしまいます。

逆に文字をきれいにだそうとすると、圧力をそこまで強くする必要がなくなるので、今度はベタがかすれてしまいます。

このようにベタと文字が同じ面に存在することで、どちらを優先するかの選択に迫られることになるでしょう。

そのような事態を避けたい場合は、費用は上がりますが、ベタと文字の版で2回に分けて印刷してもらうか、ベタの印刷面積を縮小してみるといいでしょう。

どうせ版をわけて2回印刷するなら、ベタの印刷色を変えてもいいかもしれませんね。

注意ポイント
  • ベタと文字の両立をするなら、どちらを優先するか決めるべし
  • どうしても両立したいなら、費用が上がりますが2回刷りをオススメ

活版印刷に向き・不向きのデザインをご紹介させていただきました。

発注先の印刷会社さんにデザインを送り、確認してもらうとより確実に満足できる印刷物が仕上がるでしょう。

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